「知って・愛して・多摩市 」Vol.1 多摩市が「住みたい街」に選ばれるためには?

 
一口には語れない多摩市の魅力を、それぞれの専門分野でご活躍の皆さんから、語っていただく「知って・愛して・多摩市」を始めました。

SUUMO編集長の池本洋一さんを皮切りに、概ね1週間に1回、計8人の方から見た「多摩市」を掲載いたしますので、ぜひご覧ください。

そして、ちょっとでも興味を持ったら一度足をおはこびください。

 

多摩市が「住みたい街」に選ばれるためには?

株式会社リクルート住まいカンパニー SUUMO編集長 池本 洋一

 

 多摩市95位。今年2月末に発表した「SUUMO住みたい自治体ランキングの2018関東版」の結果です。20歳~49歳の関東在住7000人に住みたい駅と自治体を1位~3位まで選んでもらい集計しました。多摩市はというと、うーん上位に来ておりません(苦笑)。周辺の自治体みてみましょう。立川市32位、府中市39位、調布市49位、八王子市53位、川崎市麻生区84位、川崎市多摩区97位、国立市100位、国分寺市101位。ちなみに1位は港区、2位は世田谷区です。自治体ごとに人口が全然違いますので順位で一喜一憂する必要はないです。ただ傾向を知っておくと、多摩市がどんな魅力を増せばランキングの上位に顔を出せるかのヒントが見えると思いますのでそこを紐解いてみたいと思います。

 
 1つは「都心一極集中」。自治体ランキングのTOP10すべてが23区でした。シングル世帯増、共働き増に伴い交通利便性を重視する傾向が高まりました。2つめは「郊外の中核集中」。20位までみると、11位横浜市中区、12位鎌倉市、13位さいたま市大宮区など。また住みたい街を「駅」で聞いたランキングでは、横浜が1位、大宮が9位、浦和が10位でした。東京一極集中といわれますが、郊外エリアでは「中核都市への人気集中」が起こっています。ではどんな条件が備わっていると人気の中核都市になれるのでしょうか?

 
 それは「食・遊・住・学+仕事のワンストップ」。下記をご覧ください。2018年は調査方法を若干変えたので、同じ調査手法の2016年と2017年で比較しました。郊外の人気上位駅をみると、立川も海老名も大宮も柏も、駅前に大型商業があり、映画館などのアミューズメントがあり、足元に商店街もあり、習い事も駅近くに多種多様にそろっている。かつ複数路線が乗り入れて交通の便もいい。また第三次産業が発展しているので地元に仕事もある。さらにおしゃれや高級といった印象が強くないので(笑)、賃料や物件価格もプレミアムが乗っている感じがしない。今の若い世代は「ブランド」より「等身大」「実質的価値」「コスパ」を重視する傾向があります。

 ちなみにこの4都市、住むというより、遊びに行く街では?という声もあります。「立川は遊ぶ場所、住むのは隣の国立」なのではという。でも今の若い人はその利便性を日常生活で享受したいという人たちが増えているようで、それが郊外の中核都市の人気を生み出しています。

 
 次に「多摩市と周辺市の住みたい理由比較」をご覧ください。街を選んだ魅力を複数回答してもらっています。自治体ごとに該当項目を何%の人が回答したかを集計したものです。多摩市の強みは、自然が身近、緑地・公園といった指標です。専業主婦型世帯が主流の時代は、自然と都市の融合的な街が好まれており、その中心として多摩ニュータウンや港北ニュータウンがありました。ただ最近は、共働きが増え、交通利便と商業利便を求める声が強くなり、ワンストップですべてが済む時間コスパの良い街が好まれるように変わってきています。また赤羽19位、北千住21位のように多種多様な人が住んでいる街も上位に来ており、均質性から多様性という傾向もみられます。

 では、多摩市が住みたい街として選ばれるには?を考察してみたいと思います。ここでは主に計画されたいわゆる多摩ニュータウンエリアを中心に書きます。

 
 ズバっと言っちゃいます。つい先日、編集長!今後見据えてオススメな街はどこですか?と聞かれたときに、多摩センターと答えたのです。ところが記者からは『多摩センターですか!子育て真っ最中の身からすると「親世代が憧れた住宅地」、何だか一昔前の家族像が投影された街のよう。正直魅力を感じづらいのですが……』。これ割とメジャーな声ではないかと推察されます(苦笑)。でも私はこう返しました。「みんなが都心を向いている今だからこそ、オススメしたい。今となっては賃料に割安感があるし、ファミリー視点で徹底的に計画開発されたこの街は、本来すごく『子育てしやすい』場所です」と。

 
 大きなペデストリアンデッキがあり、歩道と車道が分かれ、緑が配された街は安心・安全に、スピーディーに子どもの送り迎えが可能です。このインフラの中で、保育園に入りやすく、保育料に大きな補助が出て、遊具ある公園にカフェなどが併設され、安く楽しく過ごせる街であれば、共働きコスパ世代はまた目を向けてくれるのではないでしょうか?フォトジェニックで楽しげな遊具で遊ぶ風景はSNS発信で拡散されます。
交通利便性は朗報が出ましたね。小田急線の複々線化が完了し、小田急多摩センターから新宿へ最速で33分、朝のラッシュ時でも40分と最大14分も短縮。新宿へ直通の『通勤急行』『急行』が新設されて、小田急多摩センター始発もできる。これは大きいです。
商業施設については、数は立川などには及びませんので、テナントバリエーションまで含めた丁寧なPRがあってもいいかもしれません。多摩センター駅付近は、ユニクロ、ニトリはじめとしたコスパのよいナショナルチェーンが豊富。それに南大沢のアウトレットモールや聖蹟桜ヶ丘の百貨店と組み合わせていく。塾の数や習い事のバリエーションPRも欠かせません。また理想的には、多摩センター駅付近で、週末に定期的に「マルシェ」「ファーマーズマーケット」が開催されるといいですね。地元の野菜やパンやチーズやお菓子などが並ぶと人気の街になりそうです。

 
 最後にシビックプライドについて。先日ドイツに街づくりの勉強に行ってきました。驚いたのは多くの市民がボランティアで2つか3つ地域を支える活動をされていたこと。子供たちにスポーツやゲームを教えたり、公園整備の議論に関わったり、子供やお年寄りの送り迎えのお手伝いをしたり、先のマルシェ開催のお手伝いをしたり…。計画都市の弱点は人が多く住んでいなかったので街に愛着が湧きにくく関わりを持つ人が少なくなりがち。でもだからこそその弱点を覆したいですね。市民の皆さんが「計画都市日本代表」の多摩市プライドでもって、地域での活動に参加する街になったら、なんと素敵なことかと思います。住みたい街に選ばれるには「街に魅力があること」+「発信されること」が大事です。魅力は商業、保育、介護などの都市機能に限らず、街で暮らす人の楽しそうな姿、イキイキした姿も大切。暮らす人の魅力はメディアを惹きつけます。アピールするものができたら教えてください。取材に参りますので(笑)。

池本 洋一
株式会社リクルート住まいカンパニー
SUUMO編集長