コンティ多摩センター
2015年9月に多摩郵便局前にオープンしたコンティ多摩センター※はこれまでの公民館や生涯学習センターとは一線を画した会員制の複合施設だ。広々とした施設内にはカフェ、ラウンジ、フィットネスジム、クッキングスタジオ、音楽スタジオ、ダンススタジオ、会議室、セミナールームや100人規模のイベントスペース、パソコンやプリンターを備えたワークスペースがある。
今回は先日2016年度グッドデザイン賞を受賞した、「コンティ多摩センター」を運営するコンティニューム株式会社・代表取締役社長の山本マーク豪さんにお話を聞いた。
オフキャリア世代が実社会で自由に活動・交流できる活動拠点が必要
山本マーク豪さんは1967年アメリカ・カリフォルニア州生まれ。
シネマコンプレックスのヴァージンシネマズジャパン株式会社(現TOHOシネマズ株式会社)を30歳の時に設立した山本さんはその後、事業を東宝に売却し、しばらくアメリカでの生活が続いていた。再び日本に戻ってきたのは4年前。日本の少子高齢化の統計データを見てとても驚いたという。「少子高齢化社会の中でオフキャリア世代の方たちが自分の趣味や仕事の経験を活かして健康、趣味、生活、ビジネスなど実社会で自由に活動できる新しい活動拠点が必要だと思って作りました。」とコンティ多摩センターを作ったきっかけを語る。
多摩市へはヴァージンシネマズ時代に訪れており、緑が多く特徴的な街並みを持つ多摩センターにシネコンを建てる計画があったことから個人的に親しみを持っていたという山本さん。シネコンやレストランなど数々の娯楽施設をメインテーマに手がけてきた山本さんにとって「生活や人生を豊かにするため、地域の皆様が日々来られるような場所の方が面白い。」と現在のコンティ多摩センターのイメージを作り上げてきた。
日本でビジネスをはじめた当初、事務所代やその他の諸費用がかさんでとても苦労したという山本さんは、「ここなら事業の企画書を書くだけでなく、料理の趣味を活かして料理教室をしたり、音楽の趣味を活かしてピアノ教室を開いたりとスキルを持つ方がすぐにプチ起業出来るような体制が出来ています。」と語り、若い頃から起業家として活躍してきた経験を踏まえ、誰でも手軽にプチビジネスも出来る場を作り出した。
大切なのは良い人間関係づくり
アメリカのとある研究機関が75年間に渡って724人の男性を追跡調査した研究によると、「人生を豊かにするのは、富でも名声でもなく良い人間関係」というリサーチ結果もあることから、山本さんは、今後コンティ多摩センターを「新たな人間関係づくりの場にしたい」と抱負を語った。
コンティ多摩センターでは多世代の人たちが参加する様々なコミュニティプログラム、音楽コンサート、パブリックビューイングといった新しい人間関係を深めるプログラムが毎日のように開かれている。少子高齢化が全国で進む今日、自分の趣味や経験を活かして人生を豊かにする新たなコミュニティ拠点「コンティ多摩センター」が担う役割は大きい。
ビジネスセンター(ワークスペース)ではポスターや名刺が出力できる複合機やパソコンがメンバーなら無料で利用できる(印刷代は別途有料)カフェエリアは非会員も利用可。
※ 2017年4月末日をもって閉館
- 施設名
- コンティ多摩センター